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【短編集】センスも才能もない建築学生の屁理屈を聞いてくれ

今から並べる言葉はぼくの屁理屈かもしれない。大人はわがままだと言うだろうし、10年後、いや5年後のぼくの共感すら得られないかもしれない。

でも実際に今ぼくが感じていることだから仕方がない。恥は上塗ってこそ分厚く硬くなるだろうし、それが教訓になるだろうから。

ここにぼくが6年間の建築学生生活で感じた違和感や鬱憤を屁理屈のように残して置こうと思う。

ぼくの屁理屈

建築学生は自分の価値を知るべきだ

建築学生は自分の価値を知るべきだ

よく、プロジェクトの予算が少ない場合、学生に頼むことでお金を浮かそうとする大人がいる。学生を資金を浮かせるため一つのツールだと思っているのだ。

そういう大人が言うことは大概決まっている。

いい経験になるからやってみない?」だ。

しかも、いかにも自分が学生のために貴重な経験を提供していて、若者を育てることもいとわない大人感をだすのだ。

しかし、学生の身からすると自分よりも知識も経験もある大人に言われたら、「これは自分の力を伸ばせるチャンスだ」とか様々な欲望を巡らせているので、どうしてもそのフレーズが魅力的に写ることがある。

特に建築をやっている大人は話がすごくうまい。

正直、そう言って取り組み始めたものにかぎってものすごい労力と時間がかかる。それは考えてみれば当然だ。元々お金がない上で学生の労働力でなんとか帳尻を合わせようとしているんだから。

実際、そういったプロジェクトが終わってみると「あれ…この時間バイトしてたら10万なんかゆうに超えちゃうよなー」とか思ったり、「読みたい本がたくさん読めたし、気になる子を誘ってデートにだって行けたし、インターンにも行けたんじゃないか!」とか思うこともある。

でも、周りを見ると笑顔で達成感に浸っている学生もいる。自分もそうしたことを得た結果、達成感がないわけではないが、ただ一つだけ、言いたい。

 

建築学生の価値はタダではない

 

今どき、スーパーのレジを打っても、交差点の歩行者をカチカチ数えてもお金が支払われる。

学生はもっと自分たちの価値を重んじるべきだ。

でも実際、自分たちの専門である分野になると学習・経験できる機会を与えてもらっているからタダで当然だ。と感じているのは間違いだと思う。もちろん、目先のお金にとらわれるのも良くないが、その経験をへて得られること(信用、技術など)が、自分の限りある時間に釣り合うのかは考えるべきではないだろうか。

これから社会に出ると自分の価値を分かっている人が強いと思う。一度、考えてみて欲しい…

今、あなたの価値(時給)はいくらだろうか。

 

建築学生の信じる「ありもしないレール」

建築学生は自分の勝てる土壌を作るべきだ。なぜなら「あると思っているレール」は本来存在しないから。

建築学生が信じるレールとは、

多くの人がコンペに躍起になり、コンペの作品の完成度や賞歴だけで他者と差別化しようとする流れのこと。

でも実際、建築学生の9割以上はコンペの作品の完成度や賞歴だけで他者と差別化しようとして負ける。

その結果が積み重なると、卒業時に自分が望む設計事務所や就職先に入れず、建築家としての道を自然に諦めるか。名のしれない設計事務所に入って、いつかのチャンスを待ち続けることになる。

もちろん、コンペに取り組むことが悪いと言っている訳ではありませんよ。コンペや卒制のように課題に対して紳士に向き合う時間や過去の作品にもう一度取り組むことは非常に価値のあることだと思ってるし。

だけど、わざわざ同じコンペに挑戦して、似たジャンルの作品をのせて、

その中の完成度や賞歴だけで競う選択をコゾってしなくてもいいんじゃないかなぁ?

と思うんですよ。

というのもコンペの賞歴や作品の完成度で他者との差別化を測ることはライバルがもっとも多く周囲と差がつかない土壌でこの土壌でたたかう場合、ほぼ全ての建築学生と争わなくてはいけない。

つまり、全国に10000人建築学生がいるとしたら10000人がライバルになり、そんな競争率の高い土壌で勝ち抜ける人は全国でトップクラスのコンペ力や設計力を持つ限られた人だけ。

こんなに困難な道はない

ですが、大勢の学生は「みんながこの土壌に集まっているから」「みんながコンペに取り組んでいるから」という理由でヌケヌケとその土壌に集まり、圧倒的な実力差でカモにされる。

つまり、多くの建築学生が頼りにしていた王道ルートは多くの人が取り組むがゆえに周りと差別化することがもっとも困難なルートだと理解してほしいんですよ。

じゃあどうすればいいだよ。」と思う人もいると思いますが答えは単純

 

勝てる土壌がなければ、自分で土壌を作ればいい

 

王道の土壌で勝てないのであれば、自分で勝てる土壌を作れば良いのです。それこそが最も周囲と自分を差別化するための手法ではないでしょうか?

例えば、「コンペに一ヶ月一回取り組むことを一年間続けている人」と「一年間でクライアントを探してプロジェクト立ち上げて成し遂げた人」のどちらが他者と差別化をしやすいと思いますか?

完全に後者ですよね。

だって、前者の人が取り組んだコンペは他の人も取り組んでいる可能性があるけどあなたが立ち上げたプロジェクトはあなた以外に実行した人はいないんですから。

このように元々存在する大きな土壌よりも、

自分で土壌を作ったほうが掛けた時間は同じでも他者と差別化できる度合いが大きく変わってくるんです。

 

周囲と決定的に違う経験やスキルがありますか?

 

「あなたと他の学生と違いはなんですか?」と聞かれた時に「自分は他の人と何が違うんだろう」と思ったなら、それはあなたがこれまで自分でレールをしくことを避けて、多くの人が通ったレールをいかにも自分の道かのように通ってきた証拠かもしれない。

中にはそのレールの中であっても自分と周囲の差を示せる猛者もいるけど、多くの人はそうではありません。てかぼくは違う。

優先すべきは「自分と他者との違いをつくること」ではないだろうか?

ぼくはコンペで勝てることは1つの才能でしかないと思う。決して建築の才能を物語るものではない。もし、あなたにコンペで勝てる自身がないのであれば、自分勝てる土壌をつくるために時間を使ってはどうでしょうか。

という文章を書く行為も、

ぼくの小さな差別化の一つです。

建築家になるは「建築家になりたい」と言ってはいけない

建築学生のみなさんは、将来何になりますか?卒業したら建築家を目指しますか?それとも、組織設計事務所に入ってノウハウを得た後で独立して建築家になりますか?

 

なぜ、こんな質問を投げかけるかというと、ぼくには日々悩んでいた疑問ありました。

それは「建築学生はどのタイミングで建築家になるのか」です。でもようやくその悩みが解決しました。

自身を建築家と名乗った時に建築家になる

ぼくの結論はこうです。

それは「自身を建築家と名乗った時に建築家になる」です!

 

はじめは、

「実施で建築を設計したら建築家になる」

「独立したら建築家になる」

なんてことを考えていたりしました。

 

ですが、それだと納得の行かない点があります。

そもそも、

  • 建築家の仕事の中で「建築を設計すること」は一つの側面でしかないこと
  • 独立して事務所を構えていなくても建築家は存在すること

この2点です。

 

実際、

考えてみたら建築を設計するための資格はありますが、建築家を名乗るための資格は存在しないんです。

デザイナーであれ、写真家であれ、、、

例えば、

デザイナーはデザインの学校を卒業したらデザイナーになれるのでしょうか?

写真家は写真の専門学校を卒業したら写真家になるのでしょうか?

 

違いますよね。

自ら名乗ったこと瞬間からデザイナー・写真家としての道は始まるんです。

 

建築家も同じだと思います。

資格があるからややこしくなっていますが、

建築を設計する行為」を資格で制限されているだけで建築家は自分が名乗ったタイミングでなれるんです。

 

それと同時に

「卒業したら建築家になる」なんて言っている人はいつまでたっても「建築家として食べていけるようにはならない」と分かりました。

 

建築家になるのは資格ではなく、

単純に意識の問題なんです。

建築家のキャリアは今からでもスタートできる

本人の意識次第で建築家としてのキャリアをスタートできるとわかった今、

周囲が建築家として活動をスタートするのを指を加えて待つ必要はありません。

 

特に最近は「建築を設計すること」以外の活動にも注目が集まるようになり、

自分の培ったスキルでお金を稼ぐことへの壁はもうないと言ってもいいでしょう。

ぼくはこの真実に気づいてから建築家として名乗ることに決めました。

そしてブログを建築で培ったことをアウトプットする手段としてもちいています。

 

「建築家のできること」に制約はありません。

ただ、資格を持っていなければ建築を設計できないだけに過ぎないんです。

 

卒業したら建築家になる」なんて言わず、

建築家としてのスタートを今すぐ切ってみてはいかがでしょうか。

 

「建築家として名乗ること」が、建築家として食べていくための第一歩ですよ!

建築学生の屁理屈が溜まったらね

はい。とりあえずぼくの言いたいことはまだまだあるのだけれど、溜まったら書き足して行くよ。

 

PS.ご質問あればLINE@で受け付けてます。ぼく自身建築学生だったので少しは力になれると思います。

建築専門のYouTubeもやってるのでぜひ見て下さいね。

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