大学院卒の人に「大学院にいって良かったか?」と聞くと高い確率で行って良かったと答えると思う。
それは当然かもしれないけど、自分が経験したことを「しない方がよかった」と答えれる人って少ないよね。ぼくもあまり会ったことがない。
こんにちは。3月に大学院を卒業するしばたまるです。(2019年)
今回の記事では「建築学生は大学院に行くべきか?」迷っている方向けにぼくが伝えられることをギュッとお届け。
最初に行っておくとぼくは大学院に行って良かったと思う派。
でも正直、「人生について考える時間がたくさんできたから」とか割とありきたりな理由になっちゃうしあんまり大学院へ行く根本的なメリットにはつながってない。
なので今回はぼくの経験談というよりは純粋に建築学生が大学院へ進学するメリットがどんなものかリアルな実態を聞いてほしい。
▼動画でも話してます▼
目次
とりあえずでも建築学生が大学院に行くとこんなメリットがある
まず最初にどんな大学院でも卒業すれば得られるをメリットをお話する。
というかぼくはバリバリの3流大学院卒なので、そこんところは一番身に染みて分かったので。
- 給料が上がる可能性がある
- 就職できる幅がある程度広がる
それでは1つ1つ紹介いくね。
【建築学生が大学院に行くと】給料が上がる可能性がある。
まずは就職後の給料が大学卒よりも1~2万以上高くなる。
もちろん企業によるし、実力を見て…という場合もあるけどそれは希。割とみんなが口をそろえて入りたい建築系の企業はそんな感じ。
なのでとりあえず大学院で2年間過ごせば、卒業後の基本給が学部卒より上がると思っておいてOK。
ただ大学院卒だと「あなたは院卒だからもちろんできるんでしょ?」みたいなプレッシャーをかけられることも覚悟をしておくべきかもしれない。しかも、まじめに2年多く勉強していても、現場仕事(施工管理)の多い職種の場合は大学院に行ったことが役に立つワケではないのでしんどかったりもする。まぁ大学院まで行こうって人は設計職希望が多いと思うけど。
ちなみに、アトリエ等の個人の設計事務所に就職を希望する場合はどんな新卒よりも給料は低いし、大卒・大学院卒とかで給料も変わらない所が多いのでそのつもりでいておいて。
【建築学生が大学院に行くと】就職できる幅がある程度広がる
また就職できる可能性のある企業の幅が少し増える。
絶対とは言わないけど、ゼネコンや組織設計事務所の設計部に就職を希望するのであれば大学院に行くのは必須かもしれない。
もちろん大学院に行けば就活が自動的に有利になるワケではなく、大学院に行く2年間で作品や手がけるプロジェクトが必然的に増える。だからポートフォリオが密になって学部生と差がつくから有利になるという感覚の方が正しい(意匠系の場合)。
感覚的ですが「優秀な学部卒」と「そんなに優秀でなくとも作品多い大学院卒」だと大学院卒の方が有利かもしれないな~てな感じ。
ぼくは意匠系なので構造系や環境系のことはよく知りませんが、作品という概念があまりない研究ベースの構造・環境分野の方は学部でも割と就職先の幅が広いので意匠系の方が大学院進学へのメリットを体感できると思う。
ちなみに学部卒でも大手のハウスメーカーの設計部には就職できるので●水ハウスとかダイ●ハウスとかを狙うなら学部の内にしっかり住宅作品を作ってインターンにいって下さい。(参加してそれなりに頑張れば内々定もらるはず)
こんな建築学生は大学院へ行くべきだ
それではここからは「こんな人は大学院に行くべきだ」というケースを2つ紹介する。
- 大手の設計部に就職を希望する場合
- 研究したいジャンル・分野がある場合
それでは1つ1つ説明していくね。
大手ゼネコン・組織設計事務所の設計部に就職を希望する場合
まず、大手ゼネコン・組織設計事務所に就職したい場合は大学院に行くべき。
というか現状就職できている人が大学院生ばかりだし、大学院生の中でも受賞歴が豊富で作品(建築)のテイストや内容が就職先にマッチしているかつ、インターンに参加してある程度面識を事前に作っている人でないと入るのが難しい。
基本的にとんでもない功績を学部時代に残している超希なエリート以外はしっかり大学院生活で結果を出しながら準備をする必要がある。ポートフォリオも大学院に行った優秀な人でも半年くらい準備して作り上げているので…大手を狙うなら絶対。
ただ、早くて修士1年夏くらいから大手インターンの選考が行われるから、大学院に入学してフワフワしてるとあっという間にチャンスを逃すので気を抜かない方がいいよ。
研究したいジャンル・分野がある場合
また純粋に2年間かけて研究したいことがあるなら大学院へ行くべき。
当たり前だけど、大学院生活は論文(研究)に使う時間がすごく多い。なので研究したいことがないのに大学院に進学するとホントに後悔する。ぼくは2年間論文が憂鬱でしょうがなかった…。相当ストレスになるので何よりも研究したいことがあるかどうか胸に手を当てて考えて欲しい。
どうしても研究したいことがなくて大学院に行きたいなら、素直に先輩の研究を引き継いでやれば、データのとり方ややることはある程度決まってるし、モチベーションが低い中で1から自分でやるよりもよっぽど効率的。
論文に変に自身のアイデンティティを求めずにしっかり引き継いで、他の空いた時間を自分の好きな活動に使うことを進める。
大学院にいって失敗する建築学生の典型例を紹介
最後に大学院に行って失敗するパターンの人もいたりするので、軽く紹介しておく。
- なんとなく留学するパターン
- 研究室の奴隷になって終わるパターン
それでは1つ1つ説明していくね。
何となく留学するパターン
なぜだか分かんないけど、大学院に進学して留学したがる建築学生が多い。
なので、よほど留学時にやることや目的が明確だったり、海外にインターンに行ってまで関わりたいプロジェクトがない以外は行く価値がないと思う。というか行けば何かしらは経験によって得られるけど、何かしらに終わってしまう人が多いって方がニュアンスは正しいかもしれない。
今は海外留学用の奨学金制度も整っているので誰でもしっかり準備すれば100万単位で奨学金がもらえる。なので金銭面では何とかなるかもしれない。でも、その制度があまりに整い過ぎてどうせなら留学しちゃおう的な人も結構いる気がするし、ちょっぴりワイルドになって帰ってくるだけの人もいるからしっかり考えた方がいい。
もちろん明確な目的をもって留学する人もいるし、様々だけどね。
研究室の奴隷になって終わるパターン
大学院生の仕事は授業や論文だけではない。所属する研究室では古参になるので、教授の手伝いやゼミ全体で請け負うプロジェクトのリーダーになっていくのが定石。
でも教授の中には自分の持っている設計事務所のお仕事の手伝いを大学院生にさせたり、結構都合よく使われる場合があり、要領が良くないと就活のためのポートフォリオ作りや作品作りが出来なかったりもする。またゼミが忙しいという理由で行きたいインターンに行けなかったりする場合がある。
もちろん所属する大学にもよるけど、自分の時間を確保するためには少々ワガママになる必要があることは確かで、事前に時間の取れる研究室であるかどうかをしっかりリサーチすることが重要かもしれない。
大学院の場合は学部時代とは違う環境に写る人も多いと思うからね。性格の良い人は大学の奴隷にならないように注意してね。
おわりに
はい。ざっとこんな感じ。
正直な所、進みたい大学院や入りたい研究室によって随分と毛色が変わってくる。大学のようにでかい教室で大人数で授業ってわけでもないし、ホントに所属する場所によって違うのでまずは進みたい大学のリサーチを徹底的にすることが先決。
もちろんぼくも見学するために色んな教授に連絡したり、先輩に話を聞きに行ったり、進みたい大学院の資料を並べてにらめっこもした。
今回この記事にたどり着いたのも何かの縁。
もし、まだ大学院受験の準備をしていないのであれば、最初に行きたい大学院をリストアップして資料請求や願書の取り寄せだけでも済ませておいてね。
というか大学4年って卒制や卒論で忙しくて院受験の準備が遅れがちになる。思い立ったら吉日。大学院受験をするなら4月か5月には研究室訪問もしなきゃだし、TOEICだってやらなきゃいけない。
後回しにすると後でヒーヒー言うのは自分。迷ってたらたらしてるなら、めんどくさい資料請求や特に願書取り寄せを電車内でスマホを見てたり、自体でネットを見ている今この瞬間に始めてみて。
いや始めて!!!
ただ「大学院に行くべきか」を悩んでいるのであれば、大学院へ行かずして自分の理想に近い働き方をしている人を探す方が選択肢が広がるかもしれないです。
また就職活動を始める上で必要な知識は下の記事にまとめる。
就活も並行して進めるなら、情報は多い方がいいし、リサーチする手間も省けると思う。
時間があれば読んでみて。