
目の前の就職に向き合おうと、ようやく重い腰を上げた建築学生の諸君。
けんちくは、しばたまる(@yabaikagu)です。
この記事では
- 建築学科卒で就職できる職種
- 建築学科のリアルな就活事情
- 建築学科の就活スケジュール
- 使うと便利な就活サービス
をまとめてます。
ぼく自身、大学・大学院の6年間、建築学科に在籍してました。卒業したのも、つい最近(2019年)です。
結局、フリーランスとして独立する道を選んだけど、当時は先輩に就活話を聞いたり、インターンシップに参加したりしてました。
でも、なかなか欲しい情報が集まらなくて「これが3流私立大学の限界か…」とムシャクシャしたのを覚えてます。
ということで、この先にぼくが知る全てを残しておくのでぜひ活用してやってください。
ここ2年で1000人くらい建築学生のお悩み相談を聞いてきたし、ブログを書いたり、YouTubeで発信したりしました。おそらくぼくが当時感じていた情報格差をなくせるくらいは取材を重ねてきたつもりです。
まだ完璧とは言えないけど、当時ぼくが欲しかった情報は大方集められたと思います。
この記事に足りない情報や、乗せた方が良い情報などあれば、公式LINEから教えてくれるとありがたいです。
建築学科卒で就職できるお仕事・業種
まずは「建築学科を卒業することで、どんな種類の企業に入れて、どんな職につけるのか」から解説します。
まとめると以下。
ー会社の種類ー
- アトリエ設計事務所
- ハウスメーカー
- 工務店
- 組織設計事務所
- ゼネコン
- ディベロッパー
- 不動産
- 建設コンサルタント
- 建材・材料メーカー
- 職人(大工・左官・鳶職・塗装屋)など
ー職業の種類ー
- 建築設計職
- 内装設計職
- 構造設計職
- 設備設計職
- 施工管理職
- 営業職
- 測量士
- CADオペレーター
- 職人(大工・左官・鳶職・塗装屋)など
詳しくは以下の記事にまとめておいたので読んでみてください。
ここで紹介したものは、あくまで一般的な話。ここにしか就職できないという話ではありません。
在学中にAdobe関連のソフトやプログラミング、モデリングなど、表現に必要なスキルを身につけておけば、
そのままフリーランスとして独立する選択肢もあるし、デザイン力を活かして広告業界(博報堂・電通など)に入るのもありだと思います。
また最近のIT企業(Google・LINEなど)は、空間設計的な職種や物づくり系の職種も募集してたりするので、
建築業界に縛られずに自由に探してみて欲しいです。
学部卒と大学院卒の就職事情の違い
さて、ここからは「学部卒と大学院卒では就職活動にどんな差がでるのか」を解説していきます。
まず共通して言えるのは大学院に行けば、大手企業には行きやすくはなるし、給料も2万くらいあがります。
これは間違いないです。
現時点で大学院への進学か就職か迷っている方は
「とりあえず大学院へ行くメリット」を下の記事に書いてるので、先にこちらを読んでください。
» 建築学生は大学院に行くべきか?ガチなリアル話をぶっちぇけます。
ここからはもう少し具体的に「学部卒・大学院卒の就活事情」を解説していきます。
他の学科は分かりませんが、建築学科に限れば、大学院卒と学部卒で随分違うんです。
学部卒の就職事情
まず学部卒の就職事情から。
コンペで賞を複数取ってたり、何か特別な活動をしていたり、超絶なスペックを持ってないと
ゼネコン(大林組、清水建設など)や組織設計事務所(日建設計、日本設計など)などの設計部に入るのは難しいです。
またインテリア・内装系の企業も最大手(丹青社、日建スペースなど)は実績がないと難しいですね。
ただハウスメーカーの設計部であればインターンに行き、ポートフォリオを作りこめば大手(積水ハウス、大和ハウス…)だろうと就職は可能です。
アトリエ設計事務所や工務店も能力次第で採用されてますし、施工管理職や設備・構造の分野であれば、大手企業でも採用されてるみたいです。
もしクリエイティブな職を志望するのであれば、広告・web系の企業を検討してみるのも良いと思います。
建築よりは窓口が大きかったり、万が一落ちても別ジャンルですからね。
実際、広告系やIT系の会社は面白い会社も多いし、緻密な設計よりアイデアを生かしたいなら、そっちの方合ってるかもしれません。
個人的には自社プロダクトを持っている面白そうなベンチャー企業を見つけて、商品やサービスのデザインをするのもありだなって思います。
院卒よりは相対的に就職可能な範囲が狭い分、自分のスキルと見つめ合って最高の選択をして欲しいです。
大学院卒の就職事情
次に大学院卒の就職事情。
大学院卒であればゼネコンや組織設計事務所の設計部も視野に入れて就活できます。
「院卒じゃないと雇われない」というルールはないんですが、学部卒で採用された人に会ったことがないです。
ただ大学院に進学すれば、大手に行けるって訳でもありません。
まず自身が所属している大学院の卒業生が「これまでどの企業に就職出来たか」を調べてください。
すると自身の所属大学から就職できる企業の範囲がわかります。
もちろん最後の最後は実力次第なんですけどね。
ただ現状、大手ゼネコン・組織設計事務所の設計部は、採用経験のある大学から採用するケースが多いです。
大学によっては特定の企業への推薦枠が存在したり、その企業に就職した先輩がリクルーターとして繋いでくれたりするので、まずは自身の通う大学のパイプラインを把握しましょう。
もし望むようなパイプがなさそうであれば、
リアルイベントに参加したり、SNSを通して社員さんにアポを取ったり、説明会に参加したり、自力でなんとかするしかありません。
今すぐ行動してください。
とはいえ大手設計部に行ける人の多くは、コンペでいくつか受賞してたり、何かしら功績を残している人が多いです。
もし現時点で受賞歴がないのであれば、作品制作から入りたい企業に合わせて計画的準備する必要があります。
そのあたりもまとめておくので、大手の組織設計事務所やゼネコンを狙う人は以下の記事を読んでみてください。
≫ 組織設計事務所の就職法|建築学生がとるべき就活準備を紹介
建築学科の就活スケジュール
ここからは「どのような流れで就職活動を進めていくか」を解説します。
まずは基本的な就活の流れをまとめると以下です。
ー基本的な就活スケジュールー
①大学3年生・修士1年の7月頃
ポートフォリオ制作・インターン申込み
②大学3年生・修士1年の8〜9月頃
インターンに参加
②大学3年生・修士1年の9〜2月頃
会社説明会に参加
③大学3年生・修士1年の3月頃
就職活動解禁・エントリー開始
④大学四年生・修士2年の6〜8月頃
1〜3次面接(各社で時期変わる)→内定
⑤大学四年生・修士2年の10月頃
内定式に参加
このように基本はインターンをきっかけに企業に目星をつけて、3月からエントリー、それから選考が始まり、6月から8月には内定をもらえて10月には内定式。
こんな流れです。
動画でも解説してるので、もう少し詳しく知りたい方は見てください。
大手企業へ就職するために知らなけばいけない裏ルート
ここまでは「基本的な就活スケジュール」について解説させてもらいました。
ただ、これは経団連の流れを組んだ一般的な話です。
大手企業への就職を視野に入れるのであれば、話が変わってきまして…実は就活の裏ルートみたいなものがあるんですよ。
裏ルート版の就活スケジュールの流れをまとめると以下。
ー【裏ルート版】就活スケジュールー
①大学3年生・修士1年の5〜6月頃
OB(リクルーター)による会社説明会が学校で実施
②大学3年生・修士1年の7月頃
ポートフォリオ制作・インターン申込み
③大学3年生・修士1年の8〜9月頃
インターンに参加(期間:2週間〜1ヶ月)
④大学3年生・修士1年の10〜12月頃
会社説明会に参加
⑤大学3年生・修士1年の12月頃
PF+ES提出&即日設計の練習
⑥大学3年生・修士1年の1月頃
PF製本して各社面接&即日設計試験開始
⑦大学3年生・修士1年の2〜3月頃
1〜3次面接(各社で時期変わる)→内内定
⑧大学4年生・修士2年の10月頃
内定式に参加
このように大手企業(ゼネコン・組織設計事務所など)への就職を視野にいれた場合、裏で秘密裏に就活が実施されていて、
修士1年の5〜6月には学内でひっそりとリクルーターが説明会を開き、気づけば就職解禁前に内内定という形で、採用枠が埋まってしまうんです。
もちろん全ての企業でないですが、実際に解禁後にリクナビをチェックしても、設計職の募集がなかったりみたいな現象が起きてます。
こちらに関しても詳しくは動画でまとめているので、後で見ておいてださい。
これを知っておかないと
いざ就職活動を初めようとした時には手遅れになります。
ぼくの周りの大手志望だった先輩や同期は、この流れを知らないために準備が遅れてしまって、最終的には志望を変えざるを得ない状態だったりしました。
本当に気をつけて欲しいです。
建築学科からの就活に活用できるサービス
最後に「就職活動に活用できるサービス」も紹介しておきます。
「使えば採用される」なんて便利なものではないですが、知っておけばいろいろと楽になるものを選定しました。
一部紹介しているサービスはアフェリエイトサイトを介してリンクを発行してるので、登録するとしばたまるに紹介料が入ります。
お前に金やってたまるか!って人は自身で検索して使えば回避できます。ここまで情報ありがとな!って方だけリンク踏んでください。
アトリエ設計事務所への就活に使えるサービス
アーキテクチャーフォトジョブボード
A-worker
まずはアトリエ設計事務所や工務店に就職するために活用できるサービスを紹介します。
1つ目は「アーキテクチャーフォトジョブボード」、2つ目は「A-worker」。
どちらもアトリエ設計事務所や地域工務店を中心に設計職メインで求人情報を掲載してます。
アトリエや工務店のような小規模な会社はリクナビやマイナビのようなサイトには乗ってないし、「社員が退職したから、そろそろ募集しよう…」みたいな感覚で採用に入るので、いつ空きがあるか分かりません。
特にコロナの影響で、採用する体力がある事務所を見極めるには、こういったサイトに掲載できるだけの資金があるかどうかも判断材料になります。
もちろん行きたい事務所に目星がついているのであれば、直接連絡するのも良いと思うんですけど、この2つのサイトをチェックすれば、
今、どの事務所がどういった人材を募集しているのか分かるので、アトリエ設計事務所や工務店への就職を検討する場合はチェックしてみて下さい。
\紹介したアーキテクチャーフォトジョブボードはこちら/
\紹介したA-workerはこちら/
就活にで出遅れてしまった時に使えるサービス
DYM就職
次に就職活動で出遅れてしまった時に活用サービスを紹介します。
始めに言っておくと、このサービスは自分で就活をテキパキできる優等生タイプの学生さんは使う必要ないです。
紹介するのは「DYM就職」というエージェント型のマッチングサービス。
企業と就活生との間に、担当者がついて採用までマッチングしてくれるものです。
特徴はなんと言っても書類選考がないこと。
登録したら、担当者がカウンセリングしてくれて好みの職種にマッチングしてくれます。
例えば「施工管理、設備設計、CADオペレーターなど」の職種から、
建築業界以外のジャンルに興味があるのであれば「IT企業やクリエイティブな人材を欲してる企業の中のデザイン職」とかですね。
建築学生の場合、様々なソフトやスキルが身についている人が多いと思うので、
就職活動中に自分の需要がどんな企業にあるか、カウンセリングを通してリサーチするのは結構良い手段だと思います。
建築の場合は、卒業後でもアトリエ設計事務所や工務店のような企業は求人してる所が多いんですけど、
その分、収入的な問題は気がかりだし、このコロナのご時世で小規模な会社は不安だと思います。
人によっては「あれ…自分、そんなに建築に興味ないかも」って人もいると思うので、そういう気持ちを再確認するためにでも、使ってください。
ただマッチングなので、自分の理想通りの企業に出会えるかは分かりません。気にいらない企業だったら、お断りすれば良いんです。
無料で使えるサービスなので、いざという時の保険として活用してもらえると、精神的にも支えになるかと思います。
\紹介したDYM就職はこちら/
ESやポートフォリオを制作前に使える自己分析サービス
グットポイント診断
最後に紹介するのは、就活前に終わらせておきたい自己分析ができる診断ツール「グットポイント診断」。
このサービスはリクナビNEXTが提供してる自己分析ツールで、20分間、4択の問題に答えると客観的に自分の強みや特徴がどう見えてるかを文章化して教えてくれます。
自分の強みを書きなさいとか、自分の長所は何ですか?みたい質問に答えるために言語化するのって難しいじゃないですか。
もちろん最初から自分で書けたり、話せれば良いんですけど、客観的にまずは分析してもらって、そこに自分の味付けをする方が圧倒的に早いと思いませんか?
自己診断ツールにはお金がかかるものもあるけど、リクナビが転職サイトで展開してるサービスだから登録すればタダで利用できます。
リクナビ側は「お前転職じゃないだろ!」と思うかもしれないけど、使えるものは有益でなのでES書く前にでも使ってください。
\紹介したグットポイント診断はこちら/
»【グットポイント診断】引くほど当たる強み診断があるらしくやってみた。
おわりに
ということで、とりあえずぼくが話せることはこんな感じです。
建築学科の就職と言っても一概にくくれなくて、自分の進みたい方向によっても変わってくると思います。
就職といっても自分のキャリアの1ステップ。
ぼくみたいに何の戦略もなく独立する人もいるので、ゆっくり考えてなるべく広い視野で考えてみてください。
紹介したサービスのリンク乗せておくので、忘れる前に覗いてみてくださいね。